一般的に説明すれば、事故と因果関係のある損害、即ち、事故によって発生したと認められる損害が損害賠償請求出来る範囲となります。
ただし、どこまでが原子力発電事故によって発生したかは一概に判断出来ませんし、日本では今回のような規模の大きな原子力発電事故がなかったため、先例の積み重ねもありません。
そこで、政府の「原子力損害賠償紛争審査会」は、原子力による損害を類型化し、損害賠償の範囲を明確にすることを目指しています。
4月23日に行われた第2回会合では、以下の費目が損害の範囲内に入る原案が示されました。
原子力発電所から半径20キロ圏内や避難区域など
- ・避難費用(区域外への交通費、避難先での滞在費)
- ・営業損害(営業困難な場合の減収分、商品の処分費用)
- ・精神的損害(身体傷害を伴わない精神的苦痛)
- ・就労不能などに伴う損害(給与などの収入源)
- ・資産価値の喪失・減少(家畜の死、放射性物質の汚染を取り除く費用)
- ・検査費用(人・物の放射線量の検査)
- ・身体的損害(被爆による治療費や避難者の健康悪化)
航行危険区域(半径30キロ圏内) - ・操業困難による減収分や迂回による燃料費の増加分
出荷制限等 - ・出荷が出来なかったことによる減収分や処分費用
しかし、原子力発電事故による損害賠償請求の範囲が上記に限られるものではありませんから、上記のみでは到底十分な損害の補償がなされるとは言えません。
今後、原子力損害賠償紛争審査会は7月までに最終的な指針を決める予定ですが、風評被害を含めることや、資産価値の減少には、家畜や放射性物質の除去費用のみならず、土地や建物といった不動産の資産価値の減少も含めるべきだと思います。
次回は、原子力損害賠償紛争審査会の原案であげられた項目毎に、解説していきます。













